店主の郷間です。

今日は新しいメニューのお知らせです。
チェスターフィールドコート、ポロコートに続き、「トレンチコート」のオーダーをスタートします。

トレンチコートのルーツには諸説ありますが、第一次世界大戦（1914～1918）に英国陸軍が塹壕（トレンチ）戦で使用したことから、その名が付きました。塹壕と言う過酷な環境の寒さや風雨から身を守るために、当時は撥水性を備えたウール・ギャバジンで作られていました。
戦争が終わった1920年代に、素材がコットンに替わってタウンウェアとして男女問わず浸透していき、代表的なコートの一つになります。

ファッションアイテムの中で、トレンチコートほど映画と結びついているモノは無いかもしれません。
カサブランカ（1942）のハンフリー・ボガート、サムライ（1967）のアラン・ドロン、ピンクパンサー3（1976）のピーター・セラーズ、アンタッチャブル（1987）のケビン・コスナー、ディックトレイシー（1990）のウォーレン・ベイティなど数え上げればキリがありません。
女優ならオードリー・ヘップバーン、ソフィア・ローレン、マレーネ・ディートリヒ…男女どちらが着ても格好良いアイテムってなかなか無いですよね。

長年定番として愛されてきたトレンチコートですが、最近はやたらに着丈が短かったり、コストダウンのために省かれたパーツがあったり、私が格好良いと思えるトレンチコートを手に入れるのは難しい時代になってしまいました。
手に入らないのなら作ってしまおう！と思い立ち、2度の試作を経て、ご注文いただける環境が整いました。

まだまだ書きたいことはあるのですが、とっても長くなりそうなので、今日はおおまかなサービス内容を説明します。

・オーダーですので身幅や着丈などは細かく指定できます。体型補正も可能です。
・衿の幅やポケットの形状など、デザインを変更することはできません。ボタンやバックルの色は選択できます。
・生地は、トレンチコートに適したコットンギャバジンを4種（34色）、英国Brisbane Mossのコットンドリル・SHAKESPEAREを6色用意しました。後日画像付きで紹介します。それ以外の生地（ウールなど）で作ることも出来ますが、都度見積もりをさせていただく形となります。また、トレンチに使える素材かどうか確認の時間が必要な場合があります。
・価格（上記コットンを使用した場合）は、税込176,000円（税抜160,000円）です。
・取り外し可能な（例えばウールの）ライナーを付けることが可能です。現在サンプルを製作中です。当店取り扱いの生地から選ぶことができ、生地によって料金が異なりますが、税込33,000円からになります。
・納期は約1ヵ月です（工場の稼働状況により若干前後します）。

それでは仕上がりサンプルをご覧ください。
画像1枚目は、首元を開けた一般的な着方。2枚目は、上まで閉めた防寒性の高い着方です。
どちらもベルトは手で結んでいますが、もちろんキチンとバックルに通して締めることもできます。
その他のディテールについては後日説明します。

最後に、銀幕のスターの画像でも載せようと思ったのですが、つい目に入ってしまった「捕まった宇宙人」。両脇の男性がトレンチコートだったので、今日はこの画像で締めさせていただきますm(__)m

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