店主の郷間です。
かつて日本は「ものづくり大国」と言われていました。
しかし、長く続くデフレによって生産の多くは海外に移っていってしまいました。
本来であれば円安の現在は輸入品が高くなるので国産品にとってはチャンスのはずですが、もう国内には作れる技術を持った人も設備も多くないので、作りたくても作れない状況です。もはや手遅れの業界も多いようです。
コロナ禍、国内でマスクを製造できるところがほとんど無かったことは皆さんの記憶にも新しいことと思います。
今の日本は、洋服や靴の90数パーセントを海外製に頼っていますが、自分たちのものづくりを残していこうとプライドを持って頑張っている人たちもいます。当店のスーツや革靴を作っている職人も、そんな人たちばかりです。
物価の高騰・人手不足など課題を挙げればきりがありませんが、彼らの仕事の素晴らしさをお客様に伝えることで、私も少しでも日本のものづくりに貢献できればと思っています。
それはさておき、私は自分の店を開く前に、主に紳士靴を作る革靴メーカーに勤めていました。
靴業界にいると、靴の種類によって必要とされる技術が異なり、メーカーごとに得意な靴があるということが分かってきます。
もちろん複数のジャンルに対応できるメーカーもあるのですが、なかなか対応できないのが登山靴です。「登山靴のようなデザインのファッションシューズ」ではなく、本物の登山靴です。
登山靴は、革の厚みや製法などがビジネスシューズなどとは異なるため、例えば厚い革を縫えるミシンや、それを使いこなせる職人が必要になります。
しかし、他の革靴と比べて登山靴の需要は縮小しているため、設備投資や人材育成をしてまで新規参入するところもないのです。
そのため、登山靴は昔から作っていた職人が作り続けていくものでした。昔ながらの職人だからでしょうか、驚くほど価格が安いのも(良いのか悪いのか分かりませんが)特徴です。
そんな登山靴の世界も、残念ながら引退される職人が増えてきたようです。昨年、ブーツ好きには有名な錦糸町の安藤製靴さんが事実上の廃業となりました。
そこに飛び込んできたのが、北綾瀬にある登山靴の中山製靴さんが10月で廃業される予定で、現在在庫一掃セール(30%OFF)を行なっている、との知らせ。
こんな時だけお邪魔するのも申し訳ないなと思いながらも、ずっと実物を見てみたいと思っていただけに、この機会に行って1足購入させてもらいました。素材や作りの良さを考えれば、定価でも安すぎます。
さっそく登山靴の通過儀礼、防水性を高めるためのワックス塗りです。コロニルのアクティブレザーワックスを手で塗り込みます。毛足が寝るくらい塗ったら、数日乾かして完了です。
もうすぐ廃業だというのに、お邪魔した時にまだミシンに向かっていた中山さん。御年91歳、創業68年と聞き頭が下がる思いです。長い間お疲れさまでした。
フィボナッチ紳士洋品店
東京都墨田区墨田5-4-7
03-6874-3505
ご予約・お問い合わせは電話かこちらから
http://www.fibonacci.tokyo.jp/
https://fibo.stores.jp/ (オンラインストア)
https://bit.ly/3CPpV7R (メルカリショップ)
https://www.facebook.com/fibonaccijp/ (Facebook)
https://twitter.com/Fibonacci_JP (Twitter)
https://www.instagram.com/fibonaccitokyo/ (Instagram)
https://www.youtube.com/@fibonaccitokyo (Youtube)
https://podcastranking.jp/1659942771 (ポッドキャスト)