フィボナッチ紳士洋品店

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ブリーフケースの補修

2023/06/07

11.修理, 12.お手入れ

店主の郷間です。

5年くらい愛用しているブリーフケースのコバ(革の断面)の色が剥げていることに気がつきました。
たぶんどこかにぶつけてしまったのでしょう。
気に入っているバッグですし、永く使いたいと思っていますが、ぶつけないように傷がつかないように四六時中気を付けて生活して、愉しみよりストレスが上回ってしまっては本末転倒です(^^;)
過剰に大切に扱うよりも、何かあった時の対処法を知っていることのほうが大切です。

ブリーフケース コバ 補修

まず、状態を確認します。
色は剥げていますが革自体に大きな損傷はないので、補色すれば大丈夫そうです。

補色には、SAPHIRのレノベイティングカラー補修クリームを使います。
靴用の乳化性クリームでも応急処置にはなりますが、色が抜けやすいので、アクリル樹脂と顔料を含んだレノベイティングクリームをおすすめします。色を浸み込ませるというより、上から乗せるイメージです。

ブリーフケース コバ 補修

画像2枚目、補修後です。
良い感じ!補修するたびに愛着が増してしまいます^^

ひとつ補足です。
上で「何かあった時の対処法」を知っていることが大事だと書きました。
それはつまり「永く使える作りとはどのようなものか」理解しているということでもあります。

例えば今回補修したブリーフケースの縁部分はコバ(革の断面)が外側に出ている構造なので、裂けたり穴が空いたりすることはまずありませんが、コバが見えないようにする作り方(たとえば内縫い、ヘリ返しなどがあります)の場合、年を経ると摩耗して革が破れ穴が開いてきます。穴が開いたらパッチ(つぎはぎ)を当てるくらいしか処置のしようがないので、コバが出ていたほうが「永く使える作り」ということになります。

「永く使える作り」が正しいと言いたいのではありません。
コバが見えないほうがスッキリ見えてエレガントですし、どの製法が良いかは一概には言えません。
大切なのは、修理可能な個所とそうでない箇所を把握し、どうなったら寿命を迎えるのか知っておく、ということなのです。
それを知っているだけで、きっと今より永く使えるモノになるはずです。

レノベイティングカラー補修クリームは、通常当店に在庫はございませんが、お取り寄せ(税込1,485円)は可能です。

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