店主の郷間です。

先日、SNSで「タイパ服」というキーワードを見かけました。
某ファストファッションブランドが提唱する、コーディネートやメンテナンスに手間がかからない（タイムパフォーマンスの良い）服、ということのようです。

合わせやすさや洗濯のしやすさ、シワになりにくさといった実用性は、洋服にとって大切なことだと思います。
でも、格好良さや着心地よりも、実用性ばかりが強調されてしまう風潮には寂しさも感じます。
多少手間がかかったとしても、その時間も含めて愉しいものですよ、ということをお客様に伝えていきたいと思っています。

ビジネスマンのファッションにおいて実用性とは対極にあるモノといえば、ネクタイです。
ネクタイにはもともと防寒と言う実用性もありましたが、今それを理由にネクタイを締めている人はあまりいないでしょう。装飾の役割だけなら省いてしまおう、というのが時代の流れです。
それって豊かではなくなっているような気がするのですが…

ノーネクタイの是非はさておき、数を揃える必要がなくなった今の状況では、ネクタイは「少数精鋭」であることが大切だと思います。
それは色や柄だけではなく、太さ、長さ、ノット（結び目）の大きさなど、様々な面で自分好みである、ということです。

そうなると、既製品で探すのは困難かもしれません。
少数精鋭のネクタイを作るなら妥協のないモノをオーダーで。ぜひご検討ください^^

オーダーネクタイ　15,400円（税込）～

フィボナッチ紳士洋品店
東京都墨田区墨田5-4-7
03-6874-3505
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店主の郷間です。

I様よりご注文をいただいたオーダーシューズの仕上がりです。

デザイン：ES-37 アデレード
革：AT-13（ムラ染めキップ・ダークブラウン）
ソール：レザー＋ハーフラバー

革は、マーブル模様のムラ染めが特徴的な「AT」の中からダークブラウンをお選びいただきました。
イタリアのゾンタ社に「ミュージアムカーフ」という有名なムラ染めの革があります。ミュージアム（美術館）の床に使われている大理石（マーブル）の模様に似ていることから名付けられたそうです。ATはその日本版だとお考え下さい。

しかしムラ染めの革を美術館の大理石に例えるあたり、さすがにイタリア人ですよね。
記号で呼んでしまう日本人は（私を含めて）本当に不器用だなぁと思いますが、まだまだ伸び代がある、と前向きにとらえることにします(^^;)

それはさておき、ムラ感が味わい深い「AT」レザーは、カジュアルスタイルにも使いやすく、ビジネススーツに合わせる場合は上品なアクセントを加えてくれます。黒のストレートチップをはじめ、必要最低限の革靴は揃えたけど、次の1足はどうしようかなとご検討中の方におすすめです。

I様、この度はありがとうございました。
末永いご愛用をお願い致します。

オーダーシューズ　46,200円（税込）～
オプションレザー「AT」　＋13,200円（税込）

当店は山形県南陽市の宮城興業ふるさと納税お仕立券に対応しています。

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I様よりご注文をいただいたデタッチャブルカラーシャツの仕上がりです。

衿型：デタッチャブルカラー（ラウンドチップタブカラー／ウィングカラー）
生地：ブロード 綿100%
カフ：Wカフスラウンド型
その他：比翼仕立て（フライフロント）、白蝶貝ボタン

デタッチャブルカラーシャツとは、衿が取り外し可能（detachable）なシャツのこと。
汚れやすい衿の部分を交換できるよう、19世紀半ばにアメリカで生まれた仕様です。
洗濯の技術が上がるなどの理由により、現代ではほとんど見られなくなっています。

当店でデタッチャブルカラーシャツの展開を始めて2年半ほど経ちますが、それまでにご注文をいただいたお客様のほとんどが、今回のI様のようにスペアでウィングカラーを追加されます。
つまり、ウィングカラーは着用機会が限られるので、普段はもう一つの衿を付けて使うということです。また、画像2枚目のように衿を外してバンドカラーとして使うことも可能です。

私もI様と同じく、ウィングカラーとラウンドチップタブカラーを付け替えて使っていますが、ウィングカラーは年に一度着るか着ないかという程度なので、わざわざ（デタッチャブルではない）ウィングカラーシャツを購入しなくて良かったと思っています。
ほぼ絶滅状態にあったデタッチャブルカラーシャツを今の時代に作る意味はここにあるようです。

そんな実用的な理由があるとはいえ、少しマニアックな仕様であることも否めません。
「シャツを注文したい」とおっしゃるお客様にこちらからおすすめすることはありませんので、必ず「デタッチャブルカラーシャツに興味があるんだけど！」とご申告ください(^^;)

I様、この度はありがとうございました。
末永いご愛用をお願い致します。

オーダーシャツ　13,200円（税込）～
デタッチャブルカラー仕様　＋1,100円（税込）
スペアカラー　＋3,300円（税込）
比翼仕立て　＋550円（税込）

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S様よりご注文をいただいたスーツの仕上がりです。

生地： KUNISHIMA HERDREX toromi wool100% 255g
デザイン：2つボタン/1タック
仕立て：SILVER LINE

チャコールグレイのスーツは万能です。
それはビジネスシーンだけではなく、フォーマルシーンの略礼装としても使うことができるからです。

そもそも、「略礼装」って何でしょう？
ドレスコードには正礼装、凖礼装、略礼装と段階がありますが、例えば正礼装とは燕尾服（を着ている状態）のことであり、私を含むほとんどの人にはあまり縁がないでしょうから、皆さんが礼装（礼服）と呼んでいるのは略礼装（略礼服）のことだと思って良いと思います。
つまり、一般的なフォーマルシーン（結婚披露宴、葬儀など）での装いを略礼装と言います。

略礼装には、ダークスーツ（チャコールグレイ、ダークネイビーのスリーピースもしくはツーピース）が含まれます。
しかし日本では、戦後ある事情で略礼装イコール黒一択、という独特の考え方が浸透しています。浸透してしまったらそれが新しいマナーとして成立してしまうのが世の常ではありますが、ガラパゴス的状況であることもまた事実。黒一択ではなく、ダークスーツも略礼装としてもっと認知されるべきだと思っています。
ちなみに、パーティーの招待状などに書いてある「平服」とは普段着ではなく略礼装のことですのでお間違えなきよう。

S様、この度はありがとうございました。
末永いご愛用をお願い致します。

オーダースーツ　59,400円（税込）～
堀口切子ピンズ（ラペルピン）16,500円（税込）

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当店でオーダーできるアイテムはスーツやシャツだけではなく、革靴・ネクタイ・コート・サファリジャケットなど多岐にわたります。
そこにまた、新しいアイテムが加わることになりました。
それは「Tシャツ」です。

と言っても、ラフなTシャツでは当店らしくありません。
素材や縫製にこだわり、且つ年齢を重ねてもカッコ良く着られる大人のTシャツ。
辿り着いたのが、伊REDA社のウール「REDA ACTIVE」を使ったオーダーTシャツです。

①素材
家庭で洗濯できるウール「REDA ACTIVE」の中から、伸縮性のあるニット素材を用意しました。ウールならではのサラッとした触感や高い吸湿・放湿性、そして高級感を備えています。

②縫製
袖の後付けや、やや背中側にずらした肩線など、美しさと動きやすさを両立させる大量生産にはない型紙や縫製を採用しています。

③デザイン
袖は半袖と長袖から選べます。
衿はベーシックなクルーネックと、ジャケットのインナーに適したモックネックの2種類があります。
画像1枚目は半袖・クルーネック仕様です。

④サイズ
ベースになる型紙のサイズ展開が10サイズ（XS～6XL）あり、そこから体型やお好みに合わせて修正を加えます。

注目したいのが「モックネック」。
ビジネスカジュアルが広がり、ジャケット＋Tシャツの組み合わせを見かけることが増えました。
もちろんジャケットのインナーは本来であれば衿付きのシャツでなければなりません。簡単に洗濯できないジャケットの衿が汚れるのをシャツで防ぐ、というのがその理由のひとつです。
そこで、ジャケットに肌が触れぬようネックラインの高いモックネックを用意しました。

画像2枚目、クルーネック（上）とモックネック（下）です。

画像3枚目はクルーネックを着用した姿。

画像4枚目、ジャケットが肌に触れることをモックネックが防いでいます。

画像5枚目、現在用意している REDA ACTIVE は全10色です。
もっと派手な色もあれば良いと思っていますが、とりあえずベーシックな色でスタートです。

REDA ACTIVE ウールオーダーTシャツ　20,900円（税込）
納期　1ヵ月

今回作ったサンプル2枚は、私が着用するために持ち帰っている場合があります。実物をご覧になりたい場合は事前にご連絡ください。

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私たちの街をもっと好きになる情報紙「すみだノート」2023夏号が届きました。

今回の特集は「おしゃれな すみだ」。
墨田区内の「おしゃれ」なカフェやレコード屋さんなどが紹介されているのですが、その中に当店も取り上げられています^^

墨田区と言うと錦糸町や両国のある南部、そして浅草に隣接する本所や向島、スカイツリーのある押上などの中央部がにぎわっており、今回掲載されているお店もそのあたりが多いようです。
当店のある北部ももっと盛り上がりますように(^^;)

すみだノートは当店で無料配布中です。
ぜひご覧ください！

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I様よりご注文をいただいたシャツの仕上がりです。

衿型：ホリゾンタルワイドカラー
生地：麻100%
カフ：小丸型

夏の衣服と言えばリネン（素材）を思い浮かべる方も多いでしょう。
スーツやジャケットにも使用しますが、吸湿・放湿性（汗を吸収しすぐに乾いてくれる）という特徴を生かすならやはりシャツがおすすめです。

ところで、皆さんは料理で亜麻仁（アマニ）油を使いますか？
亜麻仁油とは亜麻（フラックス）の種子から取れる油ですが、亜麻の茎から取れる繊維を糸にしたものがリネンですので、元は同じなのです^^

亜麻仁油は食用のほか、油絵のバインダー（キャンバスに絵の具を定着させるもの）として使用されています。
リネンの産地と言えば現在でもフランドル地方（ベルギーやフランス北部）が有名ですが、14世紀末頃に油絵が生まれたのがまさにこのフランドルであったのも偶然ではないのですね。

なんだかスケールが大きくなってしまいましたが、衣や食だけではなく、芸術にも役立っているリネン（というかフラックス）という話でした。

I様、この度はありがとうございました。
末永いご愛用をお願い致します。

オーダーシャツ　13,200円（税込）～

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K様よりご注文をいただいたオーダーシューズの仕上がりです。

デザイン：ES-09 内羽根ストレートチップ（一部デザイン変更あり）
革：KI-20／NU-27（キップ黒／ヌバック白）
ソール：レザーソール（革底）

アッパーに複数の革を使った靴を「スペクテイターシューズ」と言います。コレスポンデントシューズとも呼ばれますが、最も一般的な呼称はコンビシューズでしょうか。
spectatorとは（主にスポーツの）観客のこと。1930年代の紳士たちがスポーツ観戦の際に履いていた靴がこのスペクテイターシューズです。

2022年9月19日の記事では、このデザインをフレッド・アステアのダンスシューズとして紹介していますのでそちらもご覧ください。

コレスポンデントシューズ

ただでさえ既製品ではあまり見られないスペクテイターシューズですので、好みのデザインで、色の組み合わせも気に入り、且つサイズがピッタリのモノを探すのは至難の業です。
クラシックでスポーティなスペクテイターシューズをお探しの方、オーダーをご検討されてはいかがでしょうか。

K様、この度はありがとうございました。
末永いご愛用をお願い致します。

オーダーシューズ　46,200円（税込）～

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5年くらい愛用しているブリーフケースのコバ（革の断面）の色が剥げていることに気がつきました。
たぶんどこかにぶつけてしまったのでしょう。
気に入っているバッグですし、永く使いたいと思っていますが、ぶつけないように傷がつかないように四六時中気を付けて生活して、愉しみよりストレスが上回ってしまっては本末転倒です(^^;)
過剰に大切に扱うよりも、何かあった時の対処法を知っていることのほうが大切です。

まず、状態を確認します。
色は剥げていますが革自体に大きな損傷はないので、補色すれば大丈夫そうです。

補色には、SAPHIRのレノベイティングカラー補修クリームを使います。
靴用の乳化性クリームでも応急処置にはなりますが、色が抜けやすいので、アクリル樹脂と顔料を含んだレノベイティングクリームをおすすめします。色を浸み込ませるというより、上から乗せるイメージです。

画像2枚目、補修後です。
良い感じ！補修するたびに愛着が増してしまいます^^

ひとつ補足です。
上で「何かあった時の対処法」を知っていることが大事だと書きました。
それはつまり「永く使える作りとはどのようなものか」理解しているということでもあります。

例えば今回補修したブリーフケースの縁部分はコバ（革の断面）が外側に出ている構造なので、裂けたり穴が空いたりすることはまずありませんが、コバが見えないようにする作り方（たとえば内縫い、ヘリ返しなどがあります）の場合、年を経ると摩耗して革が破れ穴が開いてきます。穴が開いたらパッチ（つぎはぎ）を当てるくらいしか処置のしようがないので、コバが出ていたほうが「永く使える作り」ということになります。

「永く使える作り」が正しいと言いたいのではありません。
コバが見えないほうがスッキリ見えてエレガントですし、どの製法が良いかは一概には言えません。
大切なのは、修理可能な個所とそうでない箇所を把握し、どうなったら寿命を迎えるのか知っておく、ということなのです。
それを知っているだけで、きっと今より永く使えるモノになるはずです。

レノベイティングカラー補修クリームは、通常当店に在庫はございませんが、お取り寄せ（税込1,485円）は可能です。

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晴れると蒸し暑く、雨だと肌寒い。服装を決めるのが最も難しいのは6月ではないでしょうか。
休みの日に半袖で出かけたけど帰り道は寒くて後悔した、なんて経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

そんなときに便利な、H様よりご注文をいただいたオーバーシャツの仕上がりを紹介します。

衿型：カーブスタンドカラー
生地：シアサッカー　綿100%
その他：高瀬貝ボタン

上着のように羽織ることができるオーバーシャツは服装の調節にとても便利です。
シボ（波うつようなシワ）が特徴のコットンのシアサッカー素材であれば、シワを気にせず丸めてバッグに入れることができ、持ち運びは軽く、着た後は手軽に洗濯機で洗えてアイロンも不要です。

私もシアサッカーのオーバーシャツを2020年から着始めて今年で4年目に入りました（画像2枚目、作った当時の画像です）。
もちろん梅雨にも活躍するのですが、冷房が苦手な私は真夏も持ち歩いて、映画館など冷房が強い場所で羽織るようにしています。カーディガン代わりですね^^

カジュアルな服装のお仕事であれば、仕事着として使うこともできます。
カジュアルで良いとはいえ、仕事で人と会うときにTシャツはちょっとな…なんて時は、オーバーシャツを着てみてはいかがでしょうか。

M様、この度はありがとうございました。
末永いご愛用をお願い致します。

オーバーシャツ　13,200円（税込）～

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