フィボナッチ紳士洋品店

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アーツ・アンド・クラフツとリバティ商会

2022/10/08

07.オーダーシャツ・Tシャツ

店主の郷間です。

先日、府中市美術館の「アーツ・アンド・クラフツとデザイン」という展示会に行ってきました。
アーツ・アンド・クラフツとは、産業革命の結果として安価で粗悪な製品が増えたことを批判し、手仕事に回帰したモノづくりを推進した1880年代の運動のことです。

この展示会では、運動の中心だったウィリアム・モリスから、モリスに影響を受けながら機械化にも積極的だった建築家、フランク・ロイド・ライトまで、アーツ・アンド・クラフツに関する作品を見ることができます。

当時、アーツ・アンド・クラフツと密接に関わっていたのが「リバティ商会」でした。
そう、その後リバティ百貨店となり、当店でも取り扱っているプリント生地のブランドとしても知られている、あのリバティです。

1875年に設立されたリバティ商会は、日本などの織物や装飾品を販売する店としてスタートを切りました。
19世紀後半と言えば、日本の総輸出額の7割を生糸が占めた時代です。明治維新後の日本の急速な繁栄は繊維産業のおかげだと言って差し支えないと思うのですが、リバティ商会もちょっぴりそこに関わっていたというわけです。
美術の世界でも、ゴッホなどが浮世絵の影響を受けた作品を発表した、いわゆる「ジャポニスム」の流行真っ只中でしたので、そんな日本趣味の波にも乗ったのでしょうか、店は大成功したようです。

その後リバティ商会は、それまでの多様なスタイルから、植物などを題材とする「アール・ヌーヴォー」と呼ばれるデザインに展開を絞り、現在のリバティプリントに繋がるブランドイメージを築いていきます。その「アール・ヌーヴォー」的なデザインの先駆者こそが、モリスをはじめとしたアーツ・アンド・クラフツのデザイナーたちであり、リバティは彼らのデザインを多く採用しました。

話が長くなりました。
ウィリアム・モリスが始めたアーツ・アンド・クラフツ運動を、日本との貿易で成長したリバティ商会が支え、その百数十年後の日本で、当店のお客様や私がリバティプリントのシャツやモリスがデザインした柄のネクタイを身に着けているという、ただそれだけの話です(^^;)

と言うわけで、最近自分用に作ったリバティのシャツです。

衿型:セミワイドカラー
生地:リバティ・トゥトゥユエット 綿100%
カフ:小丸型
その他:高瀬貝ボタン

オーダーシャツ リバティ
オーダーシャツ リバティ
オーダーシャツ リバティ

ポピーの花はアーツ・アンド・クラフツのデザインに多く採用されている題材です。
花柄やペイズリーのような有機的な柄は派手過ぎると感じる方、上着の中に着ると(特に画像1枚目のようにVゾーンが狭いほど)抵抗が少ない、というより良いアクセントになっていると感じるのではないでしょうか。

最後にウィリアム・モリス「いちご泥棒」のネクタイ(アジャスタブルコスチューム製)を紹介しておきます(画像4枚目)。
現在品切れ中ですが、取り寄せ可能な場合がありますので、興味のある方はお問い合わせください。

william morris strawberry thief

オーダーシャツ 12,100円(税込)~


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