着るか着られるか(穂積和夫著)
2020/04/03
店主の郷間です。
昨日は休みでしたが、外出は控えて家に籠り本を読んでいました。
読んだのはこちらの本。
「着るか着られるか」(穂積和夫著)。
最初に出たのは1964年ですが、2017年に文庫版で復刻されたのが本書です。
イラストレーターが本業の著者が「人間はなぜ服を着るのか」から「服装のルール」、ファッション誌との付き合い方まで、軽妙ですが芯のある文章で語ってくれています。
56年前の本ですが、最近書かれたと錯覚してしまうほど、今でも通用する内容ばかりで楽しく読むことができました。
最も印象に残った一節を紹介します。
「男が本当に腕によりをかけてドレス・アップした時の気分といったら、実に孤独なものである。そして逆に完ペキなおしゃれをすることによって、その孤独感をしみじみと味わうこともできるのである」
たかがファッション、されどファッション。
そんな人間臭い矛盾が根底に流れているのがこの本が面白い点だと思います。
ファッションは人生で最も重要なことではないかもしれません。特に最近、新型コロナウィルスの脅威を目の当たりにすると、つくづくファッションなど無力だなと思います。
でもファッションで人生を豊かにすることはできる。
そんなことを信じて日々仕事をしている私のスタンスは、この本に近いのかもしれません。
最近のファッション関連の本は、過剰にポジティブ(成功者は〇〇を着る)だったり、ファストファッションの着こなしのHOW TOだったり、つまらないものばかりだな~と思っている方、この本なら楽しめるかもしれませんよ。
フィボナッチ紳士洋品店
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