トラッド歳時記
2024/02/03
店主の郷間です。
「トラッド」とはtraditionalの略ですが、ファッションの世界では特にアメリカン・トラディショナル・スタイル(アメトラ)のことを表す言葉として使われます。中でもアイビー(IVY)と呼ばれるスタイルは日本でも1960年代に大きなブームになりました。
日本におけるブームの中心であったVAN JACKET(ヴァン・ヂャケット)にいた著者(くろすとしゆき氏)が、これまたブームを牽引した雑誌MEN’S CLUBで連載していた内容をまとめたのがこの本(1973年発行)です。
当時の「トラッド」についての本を読むといつも気になっていたのが、「スラックスはプレーンフロント(ノータックのことです)でなければならない」など、断定的な文章ばかりであること。私は嫌いではないのですが、今のメディアではあまり見かけない表現です。
そんな長年の疑問への解が、この本にありました。
もちろんこの本も断定形のオンパレードなのですが、一方で「アイビイが流行したころ、日本の服飾界は乱れに乱れていた。だからキッパリと誰かがいい切らなければならない時代でもあった」「あんまりカラにとじこもりすぎるのもよくないと思う」とも言うのです。なるほど、意図的にいい切っていたのですね(^^;)
この言葉に、日本に既製服を定着させた人たちの苦労と本音を見たような気がしました。
最後に、この本で最も印象に残った言葉を紹介します。
「アイビイとは、トラッドとは、永久不変なものではない、古きをたずねて新しきを知る。この精神じゃないかなぁ」
こんな本を読んだので、この春はマドラスチェックのボタンダウンシャツを作りたくなってしまった単純な私です。
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