フィボナッチ紳士洋品店

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映画「エンジェル」

2021/05/12

14.出来事

店主の郷間です。

 

先日、好きな監督フランソワ・オゾンの「エンジェル」(2007)と言う映画を(自宅で)観ました。

 

並外れた空想力を持つために作家として成功した主人公は、実生活まで空想のようになっていくが、その人気が落ちた時に、空想と現実のギャップが痛々しい、一言でいえばそんな映画です。ところどころわざとらしい合成の背景をつかうなど、オゾンらしい皮肉がちりばめられていて、オゾン作品が好きな人であれば、まぁ及第点ではないでしょうか。

 

なぜこの映画を紹介するかと言うと、衣装に意味を持たせていると感じたからです。
貧しい家に生まれ、人気作家となり、やがて凋落していく。人生が変化するのに合わせて、衣装も変化します。
それだけではなく、主人公が着ている赤いドレス(画像)は、第一次大戦前後(1910年代)の時代設定にも関わらず、ヴィクトリアン(19世紀)テイスト。これは世間知らずであると同時に、貴族のような暮らしを空想した少女の頃のままであることを表現しているのではないかと思うのです。

 

女性が主人公の映画ですので男性の衣装はあまり目立ちませんが、かなりしっかりと作られており見応えがあります。
興味がある方はご覧ください。

 

 

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