フレスコ(ポーラル、ポーラー)各種
2021/03/05
店主の郷間です。
春物のご相談が増えて参りました。
春・秋に着る、いわゆる合服(あいふく)向けの生地で私が最も好きなのは、fresco(フレスコ)とかporal(ポーラル、ポーラー)と呼ばれるモノです。
今年も各社のフレスコが出揃っていますので紹介します。
1.フレスコ(ポーラル、ポーラー)とは
ポーラー糸と呼ばれる強撚糸(強く撚った糸)を使った、硬くサラッとした肌触りで通気性の高く、シワになりにくい織物を指します。
frescoは「Martin Sons & Co.」の商標なのでporalが一般的な名称なのですが、フレスコと呼ぶ人が圧倒的に多いようです。
ちなみにporalの語源はpore(気孔)で、このことからも織目が粗く通気性が高い生地であることがうかがえますね。
強撚糸を使うと重くなりますので、一般的なスーツ地よりヘヴィで、重いものだとツイード並みに重いモノもあります。
ちょっとマニアックな素材になってしまっているのでもっと色んな方に着てもらいたいのですが、そのためには、軽く柔らかい素材ばかりが好まれる昨今の風潮をなんとかしなくてはなりません。
私は靴メーカーに勤めていたころ、売り場に並んでいる靴を手に取って、少しでも軽い靴を探しているお客様の多さに驚きました。
重い靴は疲れると思っているようなのですが、本当は100gかそこらの重さの違いより、フィットしているかどうかのほうがはるかに疲労に影響します。そして、スーツにもそれと同じことが言えるのです。
この先入観を覆すのはとても難しいのですが、この記事を読んでくださった方だけでも試してみようかな、と思ってもらえたら嬉しいです。
2.ブランド別紹介
2-1.Wain Shiell「BAHAMA」
英国ウェインシールのバハマ。カリブ海の温暖な国の名を冠することが、この時期は夏にも着用できることを表しています。
目付280gms。
2-2.SMITH WOOLLENSのFINMERESCO
英国スミスーウールンのフィンメレスコ。300~310gmsと360~390gmsの2通りの目付があります。通気性の高いフレスコと言えども、後者を真夏に着るのはちょっと暑いです(^^;)
2-3.FOX BROTHERS「FOX AIR」
英国フォックスブラザーズのフォックスエア。アースカラー(ブラウンやグリーン系)のフレスコをお探しであれば、色展開が豊富なフォックスエア一択だと思います。目付285~315gms。
2-4.CANONICO「4PLY TROPICAL」
伊カノニコの4プライトロピカルは、厳密にはフレスコではありませんが、似た特徴を持つので併せて紹介します。
フレスコは2PLY(2本撚り)もしくは3PLY(3本撚り)の糸を使うのが一般的ですが、この生地は4本撚りなので、そのぶん重くハリがあるのが特徴です。目付410gms。
上で紹介した中では、FINMERESCOの360~390gmsが4PLYです。
3.仕上がり例
私が着用している、FOX AIRのブラウンで作ったスリーピース。仕立てはSILVER LINEです。
4.価格の目安
価格はブランドごとに異なりますが、スーツ上下で92,000円(税抜)から、とお考え下さい。
重い生地は使う原料が多いので他の生地より少々値が張りますが、仕立て映えや着心地、防シワ性など、その価値はあると私は思います。
というわけで、フレスコの紹介でした。
ぜひご検討ください!
フィボナッチ紳士洋品店
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