セミアニリン仕上げのデュプイ・シャトーブリアン
2025/02/26
店主の郷間です。
オーダーシューズの革に、フランス・デュプイ(Tanneries Du Puy)のセミアニリン仕上げのカーフ、シャトーブリアンが加わりました!色はブラックとダークブラウンの2色です。

デュプイは同じフランスのアノネイ、ドイツのワインハイマーと並び、グッドイヤー製法の靴に適した革を供給している世界トップクラスのタンナー(革製造業者)です。
質実剛健な作りが特徴であるグッドイヤー製法の靴に使う革は、柔らかいほど良いというわけではなく、ある程度のハリ(硬さ)が必要になります。革は牛の年齢があがるほどに厚く・硬くなりますが、それに伴いキメの細かさも失われていくため、ハリがあってキメが細かいという、ある意味で矛盾した特性を備えている革はそう多くありません。質の良い原皮を仕入れるルートと、高い鞣(なめ)しの技術を持っているタンナーは限られています。
ところで皆さんは、上で書いた「セミアニリン仕上げ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
革の仕上げには大きく「顔料仕上げ」「セミアニリン仕上げ」「アニリン仕上げ」の3通りがあります。
「顔料仕上げ」は、革に浸み込ませるのではなく、顔料を表面(銀面)に塗布して色を付ける方法です。革のキズなどを隠すことができ、色落ちもしにくいというメリットがありますが、表面を顔料で覆ってしまうため、革の風合いは損なわれます。
「アニリン仕上げ」は、アニリン染料という合成染料を浸み込ませて染色する方法です。革の風合いは残りますが、表面が保護されていないため、キズや汚れが付きやすいのが弱点です。
「セミアニリン仕上げ」とは、その両者の中間、つまりアニリン染料で染色し、表面に顔料を薄く塗布する方法です。天然のムラ感を残しつつ、綺麗な仕上がりになるのが特徴です。
ひとことでセミアニリン仕上げと言っても、顔料の厚みによってかなり印象が変わります。
それでは、セミアニリン仕上げとアニリン仕上げの革を接写して見比べてみましょう。

画像2枚目は、アノネイ・ボカルー(セミアニリン仕上げ)です。顔料は多めなので表面の凹凸が少なく艶やかですね。

画像3枚目、今回追加されたデュプイ・シャトーブリアン(セミアニリン仕上げ)です。顔料は薄めなのでボカルーよりは凹凸があり、柔らかい仕上がり。綺麗ですが味も期待できそうです。

画像4枚目、アノネイ・ベガノ(アニリン仕上げ)です。いかにも天然の風合いを感じる革ですが、表面はザラっとして光沢がありません。根気よく磨いて艶や味を出すのが好きな方向けです。
というわけで、セミアニリン仕上げのシャトーブリアン受注開始です!
店頭で革のサンプルを触って質感をお確かめください。
オーダーシューズ 58,300円(税込)~
デュプイ・シャトーブリアン +39,600円(税込)~
当店は山形県南陽市の宮城興業ふるさと納税お仕立券に対応しています。
フィボナッチ紳士洋品店
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