ディエチピエゲのネクタイ
2023.11.19
店主の郷間です。
W様よりご注文をいただいたネクタイの仕上がりです。
生地:DORMEUIL MINUET チャコールグレー wool100%
大剣巾:10cm
全長:150cm
その他:ディエチピエゲ(Ten fold)仕様
当店では時々、生地屋さんが持っているスーツ1着分に満たない半端な量のウール生地を安く仕入れられることがあります。
スーツ1着も作れない量なのになぜ仕入れるのかというと、ネクタイを作るためです。
ネクタイにはシルクを使うのが一般的ですので、ウールなら何でも良いわけではなく、ネクタイに適していることが大前提になりますが、シルクの繊細さとウールのハリを兼ね備えているような生地が見つかれば、とても良いネクタイになります。
というわけで、「ネクタイ向きの繊細なウール」が「安く手に入る」というタイミングでのみ、仕入れてネクタイを作るのですが、今回生地を探しに行ったのは、W様からのご相談がきっかけでした。
ネクタイに興味がある、とご相談をいただいたW様のお話を伺っていると、どうやら店頭にあるシルクではなくウールをご提案したほうがご満足いただけそうな気がしたのです。
そこでさっそく次の休日に生地屋さんに出向き、幸運なことにいくつかの掘り出し物と出逢うことができました。それらをご提案し、選ばれたのがドーメルのMINUET。光沢は抑えめで、ハリのあるウール生地です。
せっかくの素材なので作りもこだわりたいと仰るW様のご希望で、ディエチピエゲ仕様でお作り致しました。
ディエチピエゲとは、裏地も芯地も使わずに生地を10回(イタリア語でdieci)折ることで作る製法です。英語で言えばテン・フォールドですね。
手縫いをするなど手間がかかり、通常のネクタイの倍近く生地を使うので高価な仕様ですが、スカーフのようなドレープ感(ゆったりしたヒダ)は誰が見てもエレガントだと感じる仕上がりだと思います。
ただし、芯が入っていないので、綺麗に結べるようになるには慣れが必要です。
ディエチピエゲと混同して使われている言葉に、セッテピエゲがあります。本来の意味は7回(sette)折りですが、市場に出ている商品をよく見ると、6回しか折っていなかったり、10回折りなのにセッテと呼ばれていたり、裏地や芯地もあったり無かったり、もはや訳が分からない状況です。
そこで当店では、名称と構造が一致しているディエチピエゲという名称を使用しています。
今回仕入れた生地は他にもあるので、現在既製品のネクタイを製作中です。
近日中に店舗とオンラインストアで販売する予定ですので、楽しみにお待ちください。
W様、この度はありがとうございました。
末永いご愛用をお願い致します。
オーダーネクタイ 17,600円(税込)~
ディエチピエゲ仕様 34,100円(税込)~
フィボナッチ紳士洋品店
東京都墨田区墨田5-4-7
03-6874-3505
ご予約・お問い合わせは電話かこちらから
http://www.fibonacci.tokyo.jp/
https://fibo.stores.jp/ (オンラインストア)
https://bit.ly/3CPpV7R (メルカリショップ)
https://www.facebook.com/fibonaccijp/ (Facebook)
https://twitter.com/Fibonacci_JP (Twitter)
https://www.instagram.com/fibonaccitokyo/ (Instagram)
https://onl.la/9YrKxXQ (ポッドキャスト・装いの話)