フィボナッチ紳士洋品店

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墨田区と榎本武揚と亜麻栽培

2021/07/12

13.鐘ヶ淵について

店主の郷間です。

 

当店から歩いて7分ほどの梅若公園に、榎本武揚(えのもとたけあき)像があります。
歴史に詳しい人ならご存じだと思いますが、戊辰戦争では旧幕府軍を率いて函館の五稜郭で最後まで抵抗し敗れたものの、その後明治政府に登用され、逓信大臣・文部大臣・外務大臣・農商務大臣まで務めた人物です。東京農業大学の創設者でもありますね。
新政府軍と戦ったのに新政府の大臣に任命されるのですから余程優秀だったのでしょう。

墨田区 榎本武揚像

晩年を墨田区向島で過ごしたことからこの像が建てられた、と言うのがこの地と榎本の関係なのですが、実はこの榎本、亜麻(リネン)の栽培に日本で初めて関わった人でもあるのです。
日本でも縄文時代から麻の栽培はされていましたが、そこで言う麻とは大麻(ヘンプ)や苧麻(ちょま。ラミー)のことで、現在衣料品に多く使われている亜麻の栽培が日本で本格的に始まったのは明治時代のことでした。
江戸時代にも小規模な栽培はあったようですが、本格的な栽培は、1874年(明治7年)に駐露公使になった榎本が、赴任先のロシアから北海道に亜麻の種子を送り、屯田兵に栽培させたことが始まりだと言われています。

 

もし戊辰戦争に敗れた時に榎本が自害して(もしくは極刑に処されて)いたら、北海道の亜麻栽培は無かったかもしれません。
ちなみにこの時に極刑を主張していた中心人物が、日本の革靴産業の生みの親ともいえる、大村益次郎だったのだそうです。
亜麻の父と革靴の父の対立。なんだか凄い時代ですね。

 

化学繊維の普及や、コストの安い海外へ産地が移ったことから、1960年代に北海道の亜麻栽培は一旦終ってしまいますが、近年、町おこしの一環として再び栽培が始まっているようです。
榎本の功績の中では見逃されがちな亜麻の栽培ですが、継続されることを願っています。

 

 

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