フィボナッチ紳士洋品店

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スキンステッチのUチップ

2024/04/05

05.オーダーシューズ

店主の郷間です。

I様よりご注文をいただいたオーダーシューズの仕上がりです。

デザイン:ES-14 U-tip derby
革:C.F.STEAD/CROSS BOARD/DARK SNUFF
ソール:TUFFSTUD(ラバーソール)
その他:スキンステッチ、Wソール

宮城興業 ES-14改

この靴を紹介する時には、2つのことをお話ししなければなりません。
まず、革のこと。
I様より、ロシアンカーフのような革で作れないかというご相談がありました。ロシアンカーフとは、18世紀のロシアで作られていたトナカイの革のことで、オイリーな質感と菱形のエンボス(型押し)が特徴です。
ご相談を受け、工場にそのような革が倉庫に残っていないか探してもらいました。
そこで見つかったのが、英国Charles F. SteadのCROSS BOARDという革です。革をI様にお見せした上で、製作に入りました。
エンボスが天然のシボのようにナチュラルで、爪先のように強く伸ばされた箇所の色が明るくプルアップする、味のある良い革ですね。
工場に残っている革があれば、このような対応も可能です。

2つめは、オプションのスキンステッチを施していること。
この「スキンステッチ」、革靴好きでなければ聞き慣れない言葉だと思いますが、一言で言えば革を貫通させずに縫う技術のことです。
貫通させないと言っても全くイメージが湧かないでしょうし、ここでは詳しい工程まで説明するつもりもないのですが、画像2枚目を見れば少しは伝わるでしょうか。床面(裏側)から針を入れ、表に貫通させずに断面から針を抜き、もう一方の革の断面に刺し、また床面に抜きます。お分かりいただきたいのは、手縫いでしかできない繊細で手間のかかる作業だということです。通常のUチップならミシンで縫って数十秒のところが、スキンステッチの場合は数十分かかります。

スキンステッチのイメージ


この靴の場合、Uチップの「U」字の部分と爪先部分がスキンステッチで縫われており、さらに細かく区分するのであれば、前者をライトアングルステッチ、後者をシャドウステッチと呼び分けています。
カントリーシューズを起源に持つUチップですが、スキンステッチを施すことで品が加わるような気がするのは私だけでしょうか。
分かる人だけ分かる、こんなオプションも対応可能です。
2つのオプションを組み合わせることで、I様だけの1足になりました。

I様、この度はありがとうございました。
末永いご愛用をお願い致します。

オーダーシューズ 46,200円(税込)~
※現在、ご注文から納品まで約60日いただいております
※2024年5月1日に価格を改定させていただきます

当店は山形県南陽市の宮城興業ふるさと納税お仕立券に対応しています。

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